イナズマはカミナリの先触れです。2005年の創業以来、フラグメントデザインは音楽とファッションとアートの交差するストリートカルチャーに、消えないイナズママークを刻んできました。ボーダーレスで、予告なく領域を切り替え、一点を除いてあらゆる予想の裏をかいてきました。それがコラボレーションです。
ほとんどのブランドがコラボ商品の部分的な活用にとどまるなか、フラグメントデザインはその上にビジネスを構築してきました。「ストリートウェアのゴッドファーザー」とも呼ばれる創業者の藤岡ヒロシは、フラグメント創立のはるか以前から完璧なセンスに定評がありました。自らの交友関係を通じて、日本と西欧のストリートカルチャーの架け橋となった結果、フラグメントは日本のトレンドセッター/流行の仕掛け人として知られるようになりました。現在では、ナイキ、ルイ・ヴィトン、スターバックス、ビーツバイドクタードレ、リーバイスをはじめとする多くの主要ブランドとのコラボを果たしており、毎年新たなプロジェクトが立ち上がるごとにコラボ実績を積み上げています。
7月には発売を控えた次期フラグメントコラボ、ジョーダン3の画像がリークされました。2014年のジョーダン1フラグメントの登場以来、フラグメント x ジョーダンはスニーカーファンの間では垂涎の的で、この新規コラボは両ブランドのファンにとって歴史的ピースを手に入れられる機会となりました。2017年に藤原ヒロシはヴァージル・アブローのシリーズを補完する自身の「The Ten（ザ・テン）」コレクションを手掛けるため、抜擢されたとされています。しかし、なんらかの事情でジョーダン3を含めた藤原ヒロシの試作品が世に出ることはありませんでした。今回はジョーダンファンを熱狂させるフラグメントジョーダンの第2弾リリースを迎えて、最も注目すべきフラグメントコラボを振り返り、注目商品を取り上げました。
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Jordan 1 Retro fragment
ジョーダン1レトロフラグメントがおそらくジョーダン1史上最高のカラーウェイなのには、もっともな理由があります。藤原はクラシックなジョーダン1ブラックトゥのカラーブロックをベースに使用し、時代を超越したデザインに仕上げました。そして、差し色のレッドをロイヤルブルーに入れ替え、ヒールにはエンボス加工のイナズママークのロゴを加えて、ユニークな配色が誕生しました。これらのジョーダンによって、フラグメントデザインはアンダーグラウンドな組織から、完全なメインストリームへと躍進しました。
このフラグメントジョーダンは、現在も続く藤原とナイキとのコラボ作の中でも最人気アイテムであるだけでなく、ジョーダンシリーズ全体の中でも最も高いシューズの一つで、ここ1年の平均販売価格は3,210ドルとなっています。
Anti Social Social Club x fragment Blue Bolt Hoodie
アンチソーシャルソーシャルクラブは、2015年の登場以来、最も人気あるストリートウェアブランドの一つとなっています。多くの先駆ブランド同様、コラボを通じて「ストリートウェアのゴッドファーザー」のお墨付きが出るのも時間の問題でした。過去と未来のモチーフを融合させたアンチソーシャルソーシャルクラブ x フラグメントサンダーボルトフーディは、今日のロゴファン人気の上に成り立っています。
Nike Air Force 1 Low fragment design x CLOT
2000年のエアフォース1 HTM（藤原ヒロシとティンカー・ハットフィールド、マーク・パーカーの初コラボ商品ライン）の発売以来、藤原はナイキ史上最も知られたデザインのいくつかに、しるしを残してきました。2019年にも同じく、フラグメントはCLOT（クロット）とナイキと提携し、噂のシルクのタペストリーを使用した特別仕様のエアフォース1、ナイキ エアフォース1 ロー フラグメントデザイン x CLOTを発売しました。従来のCLOTエアフォースと同様に、黒のシルクの下にひそむ赤のレザーアッパーは、自分で一手間加えることで目にすることができます。
Dr. Martens 1461 fragment Hollingborn
ジョーダン1フラグメントによって、フラグメントデザインの世界にジョーダンファンが新たに押し寄せることになりましたが、藤原ヒロシのシューズコラボ歴は、ジョーダンブランドやナイキばかりではありません。英国を代表するフットウェアレーベル、ドクターマーチンのおかげで、その活動範囲はスニーカーにとどまらず、フォーマルウェアの一角を占めるまでにいたっています。ドクターマーチン 1461 フラグメント Hollingborn は、藤原がUKパンクから得たインスピレーションに敬意を表しながらも、主張を抑えたフォーマルにふさわしい仕上がりとなっています。
Louis Vuitton x fragment Keepall Bandouliere
ルイ・ヴィトンコラボのボックスロゴTシャツを取り巻くネット上の騒ぎが思い起こされますが、2017年秋にルイ・ヴィトンとコラボを果たしたストリートウェアブランドは、Supremeだけではありません。キム・ジョーンズは、プレタポルテからアクセサリーにいたるまで、幅広いプロダクトでメンズコレクションの共同デザイナーに藤原ヒロシを起用しました。コレクションのなかでも、ルイ・ヴィトン x フラグメント キーポル バンドリエール は、ルイ・ヴィトンの歴史やフラグメントデザインの理念と最も呼応していて、定番商品に斬新な見方を加えています。
Nike Fragment Sock Dart
2014年12月はフラグメントジョーダンが大きく注目を集めましたが、一方でフラグメントデザインはナイキのコレクションのなかでも見落とされていたシューズの一つを復活させました。履き心地のよさとミニマリズムをかけ合わせたナイキ フラグメント ソック ダートは、素足でいける日に気軽に合わせられる一足となっています。発売店舗は多くなかったため、2020年にデッドストックに行き当たるのは、控えめに言ってもめったにないことです。
FRGMT x Pokemon
藤原はフラグメントデザインでのコラボへの取り組みを通じて日本での影響力を確立してきました。2000年代初めのベイプとのコラボを発端に、その後世界最大級のメディアミックスとの提携にいたるとは、誰も予想できませんでした。2018年には、フラグメントデザインはポケモンと手を組み、「サンダーボルトプロジェクト」と称する新コラボプロジェクトを立ち上げました。代表的なポケモンキャラクターのグラフィックを使用したアパレルとアクセサリーのラインで、カプセルコレクションが次々出ており、コレクションごとに新しいキャラクターに焦点を当てています。
