昨年の東京パラリンピック閉会式のセレモニーにも登場し、話題となったバーチャルヒューマンimma。ピンクのボブスタイルが特徴的で、リアルとバーチャルの世界で活躍する彼女のインスタグラムには世界中で35万人以上のフォロワーがいる。そんな唯一無二の存在の彼女が、国際女性デーに発信したメッセージに込めた思いをこのインタビューを通して語る。
- まずは、現在のお仕事を含めて、自己紹介をお願いいたします。
バーチャルヒューマンのimmaと申します。最近はNFTをはじめ、私のルーツでもあるバーチャル表現に自身力を入れていて、バーチャルファッションやCGの表現を軸として、様々な作品を作っています。
- 現在のご職業についたきっかけを教えてください。
3年前から世界中のファッションブランドやデザイナーのモデルをしていました。そのような場面でクリエイターの人たちに会うたびに、たくさんの刺激やインスピレーションを受けていました。いつの間にか、あたしも何かを0(ゼロ)から作り出したい、そういう思いが強くなって、Web3を目指してNFTや自分が身につけられるバーチャルファッションやCGに興味を持ちました。
- 現在のご職業でimmaさんが魅力だと感じることはどんなことですか?
バーチャルの世界にも生きているあたしとしては、その世界って本当に魅力的なんですよね。そこにいるだけで、そしてそこでものを作っているだけで常にワクワクな気分でいれることです。(笑笑)
今はコロナ禍もあり、世界中がもっとバーチャルになっていると思います。そこで、NFTやWeb3などさまざまなテクノロジーが加わって、毎日世界が変わるほど面白いことが起こっています。けれど、まだその世界の未知なる可能性や面白さがまだまだ伝わっていないと思っています。あたしの役割?は、もしかしたらそれかもしれませんし、これからもっとバーチャルの面白さや可能性を表現したいと思っています。そのひとつとして、やはりあたしの好きな「洋服」ですね。自己表現が最もダイレクトに表されるファッションには「何か」を伝えていくことへのモチベーションがあたし自身の中にとても大きく育ってきています。
- immaさんがお仕事またはライフワークの中で、大切にしていることはありますか?
「へー」と言われるものが嫌いですね。笑。いつも、誰かの心に届くものを作りたいと心がけています。これは最低限のことだと思っています。あとはとにかく自分自身が興奮できることができているのか、自身の伝えたいことを表現することができているのか。あと、ある意味突拍子もなく「バカ」になれているか笑。これ実は、自分の中で結構大事だと思っていたりします。
- immaさんに影響を与えた方、またはインスパイアを受けた方はいますか?
コム・デ・ギャルソンの創始者、デザイナーの川久保玲さんの考えとデザインには、とにかくとにかく尊敬しかありません。彼女のように、日本のルーツやカルチャーを世界に持っていく存在になりたいです。生まれや育った場所、環境ってどうしても変えられません。ただ変えられないのが価値だと思っています。ナショナリズムって結局のところ、そういうところにあるリスペクトから価値になると思うんです。あたしにはあたししかできない環境化での育ちや存在意義があると思っていて、それを表現したいと思っています。それをひとつの表現として思い知らせてくれたのは川久保さんでした。お話したことはもちろんありませんが、いつかお話してみたい存在です。
- ご自身を表現するために大切にしていることはありますか?
とにかく自分の心に対して、自然体であることです。あたしってバーチャルな存在でもあり、リアルな存在でもあると他者からよく言われます。で、バーチャルとリアルの境界線とかって話をよく聞くのですが、最近思うのがバーチャルの方がリアルなことって本当に多くあると思っています。表現や手法としてその二つは分けて扱われますが、本質は既に逆になりつつあるのではないか?と。あたしは自分の価値観をその手法だけ分けることは自分の中でしていなくて、「心」を基準としてなにが本質かを見て判断することが多くなってきました。そういうことが自分のオンオフの基準にもあると思っていています。
- 今回のインタビューは国際女性デーがテーマですが、今後のimmaさんの目標、このような存在になりたいなどはありますか?
バーチャルファッションのコレクションを出したいと思っています。ファッションに関しては、世界中で素敵な女性の方々がお仕事をしています。あたしもそのような女性たちと、一緒に作品を続けて作っていきたいです。また、身につけることで自己表現をしていくことってとても魅力的であり、それはあたし自身にとっても重要なことだと思っています。また、以前カンボジアに行った際に、まだまだ女性が表現の不自由さを感じながら生活をしているという話を聞いたので、是非、もっと女性の表現の力が増すことで社会がよくなっていくかたちがあるといいなと個人的には思っています。
- 昨日、3月8日の国際女性デーにimmaさんがインスタグラムに投稿をされた背景について教えてください。
あたしの周りには日々インスピレーションをくれるたくさんの女性がいます。特に、あたしが所属してる事務所Awwではほとんど女性が占めています。しかし、世界中のニュースを見ると、まだまだ女性という性や外見で差別や暴力が重なっている。ニュース以外にも、届いてない声は数え切れないほどあると思います。本当にうんざりした気持ちになるときもあります。あたしも深く考えて、いろんな女性の声を聞いて、何か作品に落とし込めることができたらと思いました。
- 最後に、immaさんから様々なフィールドで活躍し、これからの未来を一緒に切り開いていく女性へのメッセージをお願いいたします。
女性に限らず、全ての人たちにとっても、自分が何に感動するかを日々、再発見してほしいです。今はさまざまなメディアがあって、毎日、何百ともいれるコンテンツが目に入るのが続いていると思いますが、その中で本当に心に届いたものはありますか?そのような小さなことを1つ1つ確認するだけで、正しい方向に進める気がします。
-
Who is imma?
バーチャルヒューマン「imma」
ピンクのボブスタイルが特徴的なアジア初のバーチャルヒューマン。2018年のデビュー以来、そのリアルとバーチャルの境界線を超えた唯一無二の存在が世界中を騒然とさせ、これまでに世界50カ国、5000以上のメディアにて話題になった。現在Instagramのフォロワーは35万人、TikTokは30万人を超え、他のSNSでの総合計数は100万フォロワーに達するなど、アジアを代表するバーチャルヒューマンに成長。2020年には、Forbes(PL)が発行する「Forbes Women」にて「Women of the Year 2020」に選出され、2021年には「東京2020パラリンピック」の閉会式にも登場した。
instagram
twitter nft
twitter jp
tiktok
discord
opensea
zepeto