昨年はライトかコアかを問わず、ゲーマーにとって実りの大きい年でした。できることも限られる状態で屋内で長時間過ごすことが、プレイの腕を引き上げる絶好の機会となりました。加えて、PlayStation 5とXbox Series X/Sが昨年発売となり、最新のプラットフォームまで登場。ソニーとマイクロソフトの次世代ゲーム機のリリースは通例およそ10年おきで、今回もこれまでの例にもれず、次世代機の需要が供給を大きく上回って早々に売り切れてしまいました。
この品薄状態を受けて、StockXでは大量の次世代ゲーム機が取引されるようになりました。過去12ヶ月間のStockXにおける売れ筋上位6アイテムのうち、3つは米国版のゲーム機でした。さらにその勢いを裏打ちするかのように、同時期のStockXの売れ筋トップはPS5通常版で、あらゆるスニーカーやアパレル、コレクティブルを上回っています。
StockXの大半の取扱商品と異なり、こういったゲーム機にはウォルマートやゲームストップ、ベスト・バイなどの主要小売店で定期的な再入荷があり、今後も見込まれています。当然、需給バランスが徐々に安定してリセール価格が下がるはずですが、最初のリリースから7ヶ月近く経った今でも、オンラインと実店舗で繰り返し再入荷があるにもかかわらず、まだまだ価格が安定するにはいたっていません。
次世代のPS5通常版、PS5デジタル・エディション、Xbox Series Sは、いずれも同じような動きをたどり、2020年のブラックフライデーとサイバーマンデーの前後には価格が過去最高水準をつけました。3機ともショッピングシーズン前夜にリリースされたことで、発売直後が最も高需要・低供給となりました。StockXではPS5通常版が小売価格の2倍の1000 USドルを越えて取引され、PS5デジタル・エディションも同じく1000ドルを上回って小売価格の2.5倍に。一方、PS5通常版と同じく定価500ドルのXbox Series Xは、リセール価格が1000ドルをつけることはなかったものの、シーズン中のピーク時で800ドルと、それでも大幅なプレミアがつきました。
おそらくホリデーシーズン前後のゲーム機の値動き以上に興味深いのは、それ以後の展開です。オンラインと実店舗でともに着々と新世代機の再入荷があることを踏まえれば、リセール市場では徐々に手頃になっていくのが通常です。ところが実態としては、3機とも2020年のクリスマスシーズン後は価格が下落したものの、一貫した値下がりとはならず、むしろ上昇が頭打ちになっただけに見えます。
ゲーム機の価格は2020年11月に上昇率が過去最大となった後、翌12月末には急落。2020年12月1日から2021年1月1日にかけては30%近く落ち込み、リセール価格が800〜1000ドルレンジから700〜800ドルまで低下したものの、それ以後は停滞か上昇するのみとなっています。
PS5通常版を例にとると、昨年11月にリセール価格が1000ドル超の最高値に達した後、翌1月中旬には700ドル近くまで下落。1〜3月にかけてはその水準で安定的に推移していましたが、ソニーの再入荷が続いていたにもかかわらず、4月には再び上昇に転じました。5月は定期的に800ドルを上回って取引され、年初から100ドル以上回復しています。
他方、PS5デジタル・エディションとXbox Series Xでは、状況が少々異なります。PS5デジタル・エディションでは、再入荷に呼応したものと思われる価格の浮き沈みが見られ、年末ホリデーシーズンを経て、11月の1000ドル超から翌1月には700ドル以下まで下落。以後は700ドル近くで比較的安定しています。Xbox Series Xも同様で、11月の800ドルから1月には700ドルを下回り、以降はその水準で推移しています。
今後の再入荷がゲーム機の価格にどう影響するのか、引き続き注視したいところです。供給が需要に追いつくに従って、どこかの時点で再び小売価格で広く購入できるようになるものと思われます。ただ、ソニーから少なくとも2022年までは供給不足が続くとの発表があったばかりで、そうなるにはまだまだ時間がかかりそうです。また、一部のゲーム機で価格が上昇基調、他は停滞にとどまるなか、E3での新作発表と夏休みシーズンの到来を受けて、今後は上昇の一途をたどる可能性があります。2022年まで購入を控えたとしても、大した節約にならないかもしれず、新作のプレイを我慢するほどの価値はないかもしれません。
PlaystationとXboxの次世代機は、以下からご覧いただけます。