言葉に表すのに時間がかかるくらいの感動を覚えるような「名作」と言えるスニーカーに出会った時のあの幸福感。私にとって、そんな特別な気持ちにさせてくれるスニーカーがあります。それがこちら、「Salehe Bembury x New Balance 2002 R “Water Be the Guide”」欲しくてしょうがないのに日本では女性対応サイズの展開がないという、“スニーカー好きの日本人女性あるある” に泣いた時、救世主となるのが「StockX」。ありがたいことに、StockXではこういった日本では手に入らないスニーカーを手に入れることができるということで、海外で展開していた女性対応サイズを手に入れることができました。関税も価格に含まれている今、更に安心して買いやすくなったので、部下におねだりして誕生日のプレゼントとして買ってもらいました。
素材使い、色使い、全てのディテールとバランスが完璧なまでにデザインされた名作と感じる一足。サレへ・バンバーリーが「グランドキャニオンのハバス滝からインスピレーションを受けた」という、ブルーが印象的で、「静」を表現したという第1作からの2作目であるこちらは「動」を表現したといい、滝を流れる水の動きや躍動感を見事に表現したといえます。
スニーカーヘッズとは?という疑問について
スニーカーは大好きで、リリースを細かくチェックして、抽選応募したり、店で買ったり、毎日履いて、好みの自分軸もあって、収集しているという感覚もあるけれど、他にもたくさんの人が同じように楽しんでいると感じるスニーカーブームの中で、他人と被りたくないという一種の欲のようなものが出てきたのでしょう。このスニーカーを手に入れるに至っては、私自身スニーカーのチョイスには更にこだわっていきたいなかでふとよぎった「スニーカーヘッズって、何?」という疑問に対する「答え」のようなスニーカーだと感じた部分もあります。「スニーカーヘッズ」という呼び方は実際にあって、以前から気になる言葉ではあり、個人的な見解でぼんやり理解しているのは、「スニーカー好きというのが一種のアイデンティティーと化した人達」といったところ。そこで、スニーカーカルチャーの本場アメリカにいる”スニーカーヘッズ”な知人や友人に、スニーカーヘッズとは何かを聞いてみました。そこで返ってきた答えの中で共通していたのは、「所有数も確かに一部ではあるけど、それよりも何を持っているか&履いているのか。」つまり、ハイプなスニーカーを何足か持っているからスニーカーヘッズといえるわけではなく、とにかく沢山集めまくったらいいわけでもない、とのことでした。また、どんなスニーカーを、いつ、どんな風に履いているのかも重要なポイントのようです。ここで一つ強く感じたのは、スニーカーを履くことが「自己表現」でもあること。
スニーカーカルチャーが人々の生活に広く根ざしているアメリカでは、どんなスニーカーを履いているかで自分を表現する人達がたくさんいて、スニーカーのチョイスやセンスがとても大事だったりします。スニーカーは、自分の良さを知ってもらえるツールともいえるのでしょう。だからこそ、その答えを聞いた時、私が周りに自分を表現するチョイスとして選んだスニーカーが今回の一足。私のチョイスのポイントとしては、Salehe Bembury というデザイナーが魅了する世界観やデザインアイデア、素材と配色の秀逸さ、履きやすさ、自分の好きな色との感情の部分での親密度、そして、女性が履くことに対する珍しさでした。正直なところ、これを日本で履いてドヤ顔できるかなと思ったところもあります。(笑)でも、どんなスニーカーでも、夢を手に入れるような、純粋で素直な気持ちで選んだ一足にお金や労力を費やし、靴と自分と一対一の特別な関係を築くことが、ライフスタイルに華を添えてくれて、好きなスニーカーによって自分らしさも表現されていくとしたら、それは、スニーカーヘッズと呼ばれようが何と呼ばれようが、そんなことは関係ないくらい素晴らしいことだと改めて感じる今日この頃。一足でこんなにいろんな感情を動かしてくれる「名作」に会うことって、大切です。