Dai Tamura

November 23, 2021

No Curator | アーティスト Dai Tamura

Dai Tamura

Dai Tamura

This article is part 18 of 15 in the series: No Curator

簡単な自己紹介をお願いします。

アーティストのDai Tamuraです。1983年東京生まれ。

絵を描き始めたルーツを教えてください。

少年漫画が僕のルーツです。父親や兄がいたので、毎週少年漫画が家にあったんですけど、内容を読むというよりも絵を描き写すことが好きな子供でした。ドラゴンボールは躍動感や迫力に惹かれて、子供心に「こんなに絵が上手い人がいるんだ」って尊敬していたのを覚えています。誰かに教わる事はなく、好きでただただ描いていましたね。

Daiさんは人物を描くことが多いかと思いますが、どんな画風を意識しているのでしょうか?

以前まではカリカチュアっていうユニークに誇張させる風刺画で、2016年に世界大会で1位を獲りました。2018年に独立をしてからは、NBA選手との仕事をしたいという目標のために、スタイルを変えていきました。アスリートをいかに格好良く描けるかを重視するようにしたんです。より忠実に肌の色や顔の特徴を捉え、リスペクトを持って描いています。

NBA選手をはじめ、国内外のアスリート選手を描く楽しさってどんなところでしょう?

先ほどお話したように漫画が絵描きのルーツになっているんですが、幼少期のヒーローは漫画の主人公でした。大人にとってのヒーローってなんだろ?って思った時、試合後ヒーローインタビューがあるようにアスリート選手だと思ったんです。まるで必殺技を出しているかのように絵を描けたらいいなと思いました。今はあらゆるジャンルで活躍している方はスーパーヒーローだと思っています。更に話を広げると、僕も絵描きのスーパーヒーローになりたいですね。

人物を描く際に性格や仕草、微妙な特徴を捉えることが大切かと思うのですが意識していることはなんですか?
顔のパーツや表情だけじゃ十分じゃないことがあって、アスリートの方でいうと筋肉の動きやしわの出方だったり、全部の特徴をきちんと揃えた上で表現することを意識しています。後ろ姿でもその人の特徴が出るときもあります。一番魅力的に映るシーンを切り抜きたいので、隅々まで研究しますね。

Daiさんの作品を本人の手に届けることの意味は何でしょうか?
僕が描いた絵から本人と直接会うチャンスが巡ってくる機会があるんですが、とても夢のあることだなって思うんです。あとは、やっぱり本人に喜んでいただけることが多くて、そうするとファンの方も喜んでもらえるっていう好循環に繋がります。

今まで様々なアスリート選手と対面し、特に印象的な方はいらっしゃいましたか?
ステファン・カリーです。やばかったですよ! 握手していただいて、絵を描かせていただいて夢のような時間でしたね。今でも信じられないです!

バスケットボールでインターハイ出場の実績を持つDaiさん、今のお仕事に通じるものはありますか?
部活動では、上手くならない時期に直面したことが何回かあります。努力していることは何かに繋がるのかって不安になるんですけど、ある時グンっと伸びるんですよ。それも大幅に。何事もそうなんですが、ちょっとやって実績が付くことは無いです。

NBAのお仕事をするきっかけは? どう幅を広げていったのでしょうか?
2018年の1月に独立してからどうやったらNBAの選手と仕事ができるか考えました。まずは毎日NBA選手の似顔絵を描いてInstagramに投稿しました。日本だと楽天がオフィシャルパートナーシップを結んでいることを知り、三木谷会長のお誕生日に絵を描いてInstagramに祝福の投稿したんです。そしたらフォローしてくださって、すかさず活動内容と今後NBAと仕事をしたいというダイレクトメールを送りました。それがきっかけですね。独立して4ヶ月後にはNBAとお仕事することになりました。

Daiさんは戦略的で努力家という印象を持ちました。ご自身ではどんな性格だと思いますか?

間違いなく戦略家だなと思います。カリカチュア世界大会では1回目は10位だったんです。めちゃくちゃ悔しくて、過去の大会を分析して挑んだんですけど、2回目は4位でした。そこから世界1になるための10ヶ条を自分なりに作って、ノートにまとめて実行していきました。そして3回目の出場で優勝することができました。

過去を振り返ると、バスケ時代に“コートの監督”と呼ばれるポイントガードをしていたんですが、戦略的な思考を持つことが大切なポジションでした。その考え方を今に活かそうと思ったんです。今まで積み上げてきた経験の中でどれだけ厚みを持たせられるかが大事だと思いますね。

モチベーションはなんですか?

モチベーションっていうのが無くて、常に一定なんです。自分に負けたくなくてメラメラしています。自己ベスト更新を常に自分の目標にしているんですが、ここもアスリートっぽいのかも(笑)

逆に意外だと思われる性格はありますか?

今までチームスポーツをしていたので、それが向いていると思っていたんです。けどキャプテンなのに、人に怒れないし厳しくもできなかったんです。絵描きになってからは個人プレーで、逆にその方が向いていると気付きました。自分だったらいくらでも負荷がかけられるんです。

アートは言語がいらない分、海外の方にはどんな印象を与えていると思いますか?

僕の絵は日本の少年漫画と、アメリカンのカリカチュアの影響があって、ミックスされた画風です。面白いと思ってフォローしてくれる海外の方は多いのかなと思います。僕のフォロワーの9割は海外の方なんです。

オンラインの活動が増えたこの1、2年で印象に残っているお仕事はありますか?

ヴィンス・カーター選手が引退する際に、WEB上で世界中のアーティストを集めて似顔絵をプレゼントしようというプロジェクトに日本代表として参加したことです。昔から見ていたレジェンドの記念すべき絵を描けたことは本当に貴重な体験でした。

普段どんなスニーカーを履きますか?

NIKEが多いです。今日はoff-whiteのシューズをチョイスしました。服は黒が多いのでスニーカーでアクセントを効かせて色物を選ぶことが多いですね!

初の作品集DAI TAMURA ILLUSTRATION ART WORKSに込めた思いを教えてください。

2013年からの作品が載っているんですが、僕が自己ベストを更新し続けた結果がまとまっている1冊です。最初はNBA選手が中心だった活動が、今はいろんなジャンルの方を描いていたり、動物や自然物などのアートにも挑戦しています。これからの歩みにも注目してもらいたいです。

初めての個展ILLUSTARTではどのような作品が並びますか?

今回はNIKEとatmos JAPANのアニマルシリーズに関係する動物画と、そこからインスピレーションした自然をテーマにした作品です。3日間開催していて、僕は全日程会場にいます。リアルな場に出たことがあまりなかったので、作品への思いも話せたら良いなと思っています。

今回StockXのために描いてくださったイラストはどんなイメージで描きましたか?

平面上に描いたロゴの“X”はいじらずに、“Stock”の文字に躍動感を持たせました。逆に写真かのように描いたバッチは立体感を持たせるようにしました。平面と立体のミックスで絵でしか表現できないトリックアートのような作品に仕上げました。

今後の展望を教えてください。

世界を代表するアーティストになることです。イラストレーターでは無く、アーティストとして名が上がるように世界中に認知されたいです。

Dai Tamura 1st Art Exhibition ILLUSTART @atmos千駄ヶ谷

11月26日(金)~11月28日(日)

11:00~19:00

〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-16-9 atmos千駄ヶ谷

作品集、個展の詳細は下記をチェックしてください。

@dai.tamura